心拍計機能付GPS

1 購入目的
健康を増進するための1つの指標である「マフェトン理論」を始めたのが、2004年1月でした。 それから早いもので、2年半の歳月が流れました。「マフェトン理論」はフィリップ・マフェトン博士が考えた理論で、主にトライアスロン等のエアロビック競技で使われています。 トレーニングというと限界まで追い込まないと効果はと思われがちですが、マフェトン博士はその必要性はなく「180公式」と呼ばれる方法で得られた数を最大心拍数として、 これを維持しつつ運動します。つまり、心拍数を常にモニターしながら運動する必要があるのです。設定した心拍数を維持して運動を継続すれば、日が増すごとに、同じ心拍数でできる 運動量が多くなるというものです。
 マフェトン理論を開始して、最初に購入したのが「Polar S210」でした。しかし、メモリが少ないため多くのデータを保存することができませんでしたので、 「CASIO CHR−200」を購入しました。運動強度表示機能、メモリー機能(300ラップ)を持っていました。2006年4月、GPS製品で有名な「GARMIN社」から、 心拍機能搭載GPSトレーナー「ForeAthlete301」が発売されました。GPSによるペース、距離、斜度の計測及び心拍数の情報を把握することできます。ランニングのみならず、自転車、その他のトレーニングにも使用できる製品です。
2 製品特徴
操作マニュアル 操作マニュアルは、100ページ程度で使い方が解りやすくまとめられています。 トレーニングセンターというソフトが添付されてました。
3 機能
表面 横面 裏面
(1)外観
  大きさは、約83mm(横)、約43mm(縦)、約17mm(高さ)で、マッチ箱よりやや大きめのサイズです。重量は約78gで、筆者が使用している時計より軽いです。
(2)操作
  心拍計本体の横面に6個のボタンが配置されてます。最左が電源ボタンになります。タイマーのストップ、スタート及び機能選択し確定するボタンは赤色でやや大きいため、操作を 誤ることはほとんどありません。
(3)機能
  ア.心拍センサー(胸部ベルト)により、心拍数をタイムリーに測定できます。
  イ.速度、ペース、目的地までの距離、移動距離、カロリー消費量などを測定できます。
  ウ.あらかじめ設定した仮想伴走者とトレーニングができます。
  エ.設定したペース、設定した時間以下になると、ビープ音で知らせてくれます。
  オ.自動ポーズ機能により、設定したペース、設定した時間以下になるとタイマーが自動的に停止します。
  カ.自動ラップ機能により、設定した距離ごとに自動的にラップが取得できます。
  キ.現在位置を位置情報として記録可能です。
  ク.約5,000ラップのトレーニング履歴(距離、時間、消費カロリー、心拍数データ、ラップ情報)を内部メモリに保存できます。
  コ.記録されたデータをUSBにより、パソコンに転送し管理することができます。
4 使用感
起動画面 測位 計測画面 マップモード
GPSの電源を入れると、「ForAthlete301」のロゴ、ユーザー名が表示された後に、GPSの位置を測位が開始されます。 「ナビ準備中」の表示とバッテリー駆動時間が表示されます。バッテリー駆動時間はフル充電で14時間です。準備が完了するまでは数分かかります。 位置が確定されるためには最低3個以上のGPS衛星を捕捉する必要があります。GPS信号は、遮蔽物に大きく影響するため、家の中では受信できません。 GPS衛星を捕捉すると、ストップウォッチ画面になり、時間、ペース(分/km)、距離が表示されます。 左から2番目のモードボタンを押すと、マップモードになり、現在地の記録、ルートの作成、トレーニング開始点に戻る機能が設定できます。
ランニング履歴 設定 GPS情報 GPS
もう一度、モードボタンを押すとメニューモードになり、ランニング履歴などを確認することができます。 メニューモードの「設定」を押すと、ユーザープロファイルなどを設定することができます。プロファイルは性別、生年月日、体重を入力します。 メニューモードの「ナビゲーション」を押すと、GPS情報を確認することができます。 GPS情報では、位置精度、衛星の位置及び受信強度などが表示されます。


(1)実用性
 ア 視認性、装着感、誤差
   心拍数を計測するため、胸部にベルトで装着する必要があります。また、本体のディスプレィーは、36mm×23mm程度有り大型で非常に見やすいです。 心拍計を左手首に装着した感じは、重さは特に気になりませんでした。しかし、本体が43mmもあり走行していると、甲にあたり違和感がありました。 15km走行しましたが、距離表示はほぼ正確で数メートルの誤差でした。ペース表示は、GPSの誤差のためだと思われますが、実際の走行速度よりも速く表示されることが ありました。平均値は正確に記録されてました。
 イ 駆動時間
   フル充電で約14時間使用できるようです。常時電源を入れているわけではありませんので、1.5時間/日程度のトレーニングでも約10日間は使用できます。
(2)拡張性
  拡張機能はありませんが、本体背面に配置されているUSBポートで、パソコンにデータを転送することができます。トレーニングセンターというソフトを使用することにより、 走行日時、合計距離、合計所要時間、平均ペース、平均速度、消費カロリー、心拍数が設定したラップ毎に記録されます。また、ゾーン別に記録されるという多機能さに驚きました。 下は設定されている心拍ゾーンです。「マフェトン理論」は「ゾーン3」に該当します。

ゾーン最大心拍数(%)状態効果
50〜60%リラックス、ゆっくりした歩調でリズミカルな呼吸が可能な状態有酸素運動、初級レベル、ストレスのないトレーニング
60〜70%快調なペース、やや深い呼吸だが会話が可能な状態有酸素運動、基本トレーニング、持久力の向上が望めるトレーニング
70〜80%適度なペース、会話を維持するのは困難な状態有酸素運動、心血管能力向上が望めるトレーニング
80〜90%早いペース、強い呼吸でやや不快な状態無酸素運動、スピード向上が望めるトレーニング
90〜100%非常に速いペース、苦しい呼吸で長時間維持するのは困難な状態無酸素運動、筋肉負担が増加するため、パワー向上が望めるトレーニング
「トレーニングセンター」

トレーニングセンター
5 価格
インターネット(いいよねっと)で購入し、価格は送料税込で¥43,470でした。 GPS機能が付いていない心拍計は、数多く発売されていますが、それに比べると2倍以上の価格であり、高いといわざるを得ません。
6 評価(5点満点)
最後に個人的な評価です。筆者は健康のため時間を見つけてランニングすることがしばしばあります。困ることがどれくらい走行したかわからない点でした。 しかし、心拍計GPSを使用することにより、ほぼ正確な距離算出が可能ですし、ペースがタイムリーに確認できます。ペース誤差がややあるものの、 ソフトが充実しており、満足のいく製品です。本体が更に小型化されればいいと思います。
デザイン3.5
操作性4.5
機能性能3.5
画面表示4.5
ソフトウェアー4.5
価格3.5
満足度4.0
総合評価4.0