心拍計機能付GPS(SUUNTO社t3)

1 購入目的
パッケージ各マラソン大会に参加するようになり、10年近い歳月が流れました。 年々練習量も増加し、時間を見つけては、筋力トレーニング、ランニングなどを行ってきました。それに伴い記録も向上しています。練習時、時間走であれば、普通の時計があればいいですが、 一定の距離をランニングするためには、距離を計測する必要があります。昨年、初めて心拍機能搭載GPS「GARMIN社ForeAthlete301」を購入しましたが、 時計本体のUSBコネクターの接触不良のため、時計に記録された各種データをパソコンに転送することができなくなりました。そのため、先月「GlobalSat社GH−615M」 を購入しました。しかし、実用性、拡張性など十分満足が得られるものはありませんでした。インターネットで検索したところ「SUUNTO社t3」が目に留まりました。 時計本体がGPSを内蔵していないため小型であることから購入を決定しました。
2 製品特徴
製品構成 Suunto社「t3」は、時計及び心拍数トランスミッターで構成されていますが、「OutdoorPack」は「GPS−POD」がセット になっています。セットが買い得であったため、「OutdoorPack」を購入しました。この心拍計機能付GPSも英語版ですが、日本語操作マニュアルが添付されており、 詳細にわたり、操作、取り扱い要領が記載されていました。マニュアルは、時計及びGPS−PODに分かれ、それぞれ102、79ページです。 「ForeAthlete301」「GH−615M」のように、PCとの連携機能は、標準で搭載されていませんので「PC−POD」を購入する必要があります。
操作マニュアル
3 機能
表面 裏面
(1)外観
時計本体は、43mm(横)×43(縦)×11mm(厚さ)、重量:47g、防水:3気圧(30m)で、GPSが時計本体に搭載されていないため、非常に軽量です。 レースのときに使用している「SEIKO SUPER RUNNERS」とサイズ、重量ともほぼ同じです。 バッテリーは時計裏蓋内に配置され、CR2032ボタン電池であり、簡単に交換が可能です。GPS−PODは、腕もしくは腰に装着する必要があります。
(2)操作
  普通の腕時計と同様に6個のボタンが配置されてます。
(3)機能
  ア.心拍センサー(胸部ベルト)により、心拍数をタイムリーに測定できます。
  イ.心拍数を消費カロリーが表示できます。
  ウ.過去15回分のトレーニング記録(時間、トレーニング効果、平均心拍数、ピーク時心拍数、消費カロリーなど)を確認することができます。
   別売「PC−POD」により、長期間のログ保存及び詳しい分析ができます。
  エ.インターバル設定ができます。
  オ.トレーニング効果表示機能により、コンピューターで計測された情報を5段階のトレーニング評価(TE:Trainning Effect)を表示できます。
  カ.GPS−PODにより、自動ラップ、目標速度設定することができ、速度、距離、ラップ、平均速度を表示することができます。
4 使用感
普段は時計として使用できます。写真はTime(時刻)モードです。各ボタンの機能は次のとおりです。
ボタン機能
左下ボタン曜日、日、秒、デュアルタイムの切り替え
左上ボタンログブック
右上ボタン合計記録
右中ボタン設定メニュ表示(長押)
右下ボタンバックライト
Trainning(トレーニング)モードです。このモードでストップウォッチを使用できます。 また、このモードで、心拍数またはTrainning Effect(トレーニング効果)が表示できます。各ボタンの機能は次のとおりです。
ボタン機能
左下ボタンTrainning Effect(トレーニング効果)及び時間、時刻、速度、距離、消費カロリー、平均心拍数、ラップ及びインターバルタイムの切り替え
左上ボタンストップウォッチのスタート及びストップ
右上ボタンラップタイム、ストップウォッチリセット(長押)
右中ボタン設定メニュ表示(長押)
右下ボタンバックライト/Trainning Effect(トレーニング効果)の設定(長押)


※ Trainning Effect(トレーニング効果)は有酸素運動能力に対するトレーニング効果を5段階で評価するものです。
TEの測定値トレーニング効果
1.0〜1.9マイナー効果(ウオーミングアップ)
2.0〜2.9持続効果(LSDトレーニングレベル)
3.0〜3.9向上効果(有酸素運動)
4.0〜4.9高い向上効果(持続力向上トレーニング)
5.0競技力向上効果(無酸素運動)
Trainning(トレーニング)モードです。写真では、最上段にストップウオッチ、中段に心拍数、下段に平均心拍数が表示されています。 Speed/Distance(速度/距離)モードです。このモードを表示させるためには、GPSなどのPODが必要になります。各ボタンの機能は次のとおりです。
ボタン機能
左下ボタンストップウォッチ、時刻、平均速度、距離、ラップ、心拍数、Trainning Effect(トレーニング効果)と目標到達トレーニング時間
左上ボタンストップウォッチのスタート及びストップ
右上ボタンラップタイム、ストップウォッチリセット(長押)
右中ボタン設定メニュ表示(長押)
右下ボタンバックライト/Trainning Effect(トレーニング効果)の設定(長押)
Speed/Distance(速度/距離)モードです。写真では、最上段に距離、中段に速度(min/km、km/h表示切替可能)下段に時刻及び平均速度が表示されています。 時計本体とGPS−PODの大きさの比較です。GPS−PODはやや大型ですが、腕もしくは腰に装着するため負担にはなりません。バッテリーは単4乾電池2本で、重量は79gです。 スタート/ストップボタンを長押することにより、電源をオン/オフにすることができます。電源投入後はSIGNAL LEDが緑色に早く点滅しますが、 GPS信号を受信すると遅い点滅になり、速度/距離が計測可能な状態になります。家の中でも受信することが可能でしたので、高感度受信チップであるものと思われます。



(1)実用性
 ア 視認性、装着感、誤差
   心拍数を計測するため、「ForeAthlete−301」「GH−615M」と同様に、胸部にベルトで装着する必要があります。 レース用の腕時計とサイズ及び重量がほぼ同じであるため、腕に装着しても全く気になりませんでした。情報量(5項目表示)が多いため、ボタン操作を必要としません。 常にトレーニング効果を確認することができることは利点であると思います。 30km程度走行しましたが、距離表示はほぼ正確で数メートルの誤差でした。ペース表示は、GPSの誤差のためだと思われますが、実際の走行速度よりも速く表示されることが ありましたが、平均値はほぼ正確に記録されてました。
走行距離時間走行速度消費カロリー最大心拍数平均心拍数TE(Trainning Effect)気温
15.0km1時間16分51秒5分07秒969kcal1851655.031.0℃
15.0km1時間16分10秒5分05秒884kcal1731594.924.0℃
 イ 駆動時間
   時計本体のバッテリーは平均4時間/週の使用で、約1年持ちますが、GPS−PODは単4アルカリ乾電池2本で約10時間(約20℃で使用時)しか使用できませんので、バッテリーの持ちは良くありません。
(2)拡張性
  拡張機能はありませんが、別売PC−PODを使用することにより、ワイヤレス通信でパソコンにデータを転送することができます。 走行日時、合計距離、合計所要時間、平均ペース、平均速度、消費カロリー、心拍数などが表示され、自動ラップ機能が搭載されていますが、オートポーズ機能は搭載されていません。 また、高度計測機能も搭載されていませんし、ナビゲーション機能が搭載されていないため、地図表示はできません。
「スント・トレーニング・マネジャー・ライト」
PC−POD及びスント・トレーニング・マネジャー・ライトを利用し、時計本体からパソコンにログ記録を転送することができます。トレーニング効果、ログ分析などが可能です。
スント・トレーニング・マネジャー・ライト スント・トレーニング・マネジャー・ライト
5 価格
インターネットで購入し、価格は時計本体¥30,420、PC−POD¥12,580、合計¥43,000でした。「ForeAthlete301」とほぼ同じ価格設定です。
6 評価(5点満点)
最後に評価です。前回購入した「GH615M」は、「SiRFstarVチップセット」が搭載され高感度ですが、精度は期待したほど向上していませんでした。 また、走行状況を分析できる「PCユーティリティー」の機能が十分ではなく、トレーニング分析が十分できませんでした。その点「スント・トレーニング・マネジャー・ライト」は優れていました。 しかし、GPSナビゲーション機能は搭載されていないため、地図表示機能はありません。その点が残念です。今後、更なる精度の向上、小型化及びナビゲーション機能向上が期待される製品です。 また、日本製品も高性能なGPSが登場して欲しいものです。
デザイン4.0
操作性4.0
機能性能4.0
画面表示4.0
ソフトウェアー4.0
価格3.5
満足度4.5
総合評価4.0