心拍計機能付GPS(GARMIN社Forerunner 310XT)

1 購入目的
パッケージ 2008年11月にランニング用にGPS心拍計Garmin社「ForeAthlete405」を購入し使用してきました。 「ForeAthlete405」は、トレーニング以外に普段の使用が考慮されており、パワーセーブ・モードであれば、約2週間使用できることになります。 しかし、トレーニング・モードは僅か7時間40分程度でバッテリーが消耗するため、頻繁に充電する必要がありました。 「ForeAthlete405」を購入してから時計として使用することはなかったため、バッテリー持続時間が長時間のモデルの発売を心待ちにしていました。 2009年4月にGarmin社から「Forerunner310XT」(英語版)が発売されました。直ぐに日本語版が発売されるものと思っていましたが、 2010年5月になっても発売されず、英語版でも使用上に問題はないため「ForeAthlete310XT」を購入しました。 「ForeAthlete310XT」は、約20時間のバッテリー寿命、心拍ベースのカロリー計算機能及び50m防水設計が大きな特徴です。
2 製品特徴
操作マニュアル
英語操作マニュアル
Garmin社「Forerunner310XT」は、時計及び心拍計トランスミッターで構成されているのは、以前の製品と同様です。 英語版ですが、英語版マニュアル及び日本語操作マニュアルが添付されており、43ページの日本語マニュアルに、操作、取り扱い要領が記載されており、困ることはありませんでした。 英語版マニュアル、日本語版マニュアルともに簡略化された中でも、十分な説明が記載されていました。
3 機能
表面 裏面
(1) 外観
 「ForeAthlete405」はボタンは2つしかありませんでした。ベゼル(ディスプレィー外側の金属部分)に触れることにより、 画面の切り替えができ、撫でることによりスクロールされ、様々な設定が可能になりました。しかし、雨天などで水滴がベゼルに付着すると誤作動をしました。 現時点では、「Forerunner301XT」のように、スタート/ストップ、ラップ/リセット、モードボタンなどは必要になります。 「ForeAthlete310XT」は「ForeAthlete405」と同様に、USB ANTスティックにより、ワイヤレスでトレーニングデータの送受信を行ないます。 また、初めて50m防水、水泳競技対応になりました。しかし、水中ではGPSは使用できません。「ForeAthlete405」よりやや大型になり、重量もやや重くなりました。
GPSトレーナーサイズ重量
ForeAthlete30183mm(横)×43mm(縦)×17mm(厚さ)約78g
ForeAthlete30553mm(横)×69mm(縦)×18mm(厚さ)約77g
ForeAthlete40548mm(横)×71mm(縦)×16mm(厚さ)約60g
ForeRunner310XT54mm(横)×56mm(縦)×19mm(厚さ)約72g

(2) 操作
  トレーニング中に主に使用するのは2つのボタンで、スタート/ストップ、ラップ/リセットボタンが1つのボタンに複数の機能を持たせています。
(3) 機能
 ア 高感度GPS搭載は「ForeAthlete405」と同様です。
 イ 走行時間、走行速度、距離、高度、ペース、ラップペース、ラップタイム、ラップ距離、平均およびラップペース、心拍数、消費カロリー、GPS精度など36項目のうちから表示項目を選択し、 データページ自動切換え機能により、ランニングを行ないながら、多くの記録を確認することができます。
 ウ トレーニングデータは、約1,000ラップ分を日別または月別で記録可能です。このデータは、「USB ANT Stick」により、PCへダウンロードすることが可能です。
 エ オートポーズ機能/自動ラップ機能が搭載されています。
 オ バーチャル・パートーナー機能により、仮想の伴走者が設定できます。
 カ ペースアラート機能が搭載されています。
 キ 時間、距離、心拍数及びカロリー・アラート機能が搭載されています。
 ク 心拍数ベースのカロリー計算機能が搭載されています。
 ケ インターバル・トレーニング機能が搭載されています。
 コ トレーニング管理ソフト『トレーニングセンター』を使用すると、取得したデータをグラフで表示が可能です。 また、パソコン上でトレーニングメニューやスケジュールを作成する事ができマップ上に軌跡や高低差の表示も可能となります。
4 使用感
「ForeAthlete305」と同様に、左側前方に電源ボタンがあります。電源をONにし、再度ボタンを押す(1秒以内)とバックライトの明るさを設定できます。 画面の明るさの設定が完了すると、「Locating satellites・・・(位置確認中)」表示になります。 GPS測定が可能になると「トレーニングモード」になります。 右側の矢印ボタン(▲▼)を操作すると、複数のトレーニング・ページに切替ができます。
最大4画面、1画面あたり表示する項目は1項目〜4項目まで選択することができます。トレーニング・ページは自動スクロールさせることもできます。また、スクロール速度を選択することも可能です。 「ForeAthlete 405」にもあったバーチャル・トレーナー画面です。仮想の伴走者を設定できます。画面は4分50秒/kmに設定しています。 左側手前のMODEボタンを押すと「Navigationモード」になります。地図上の経路表示、位置の保存などができます。 更にMODEボタンを押すと設定画面になり、「History(履歴)」「Training(トレーニング設定)」「GPS(GPS状態)」「Setting(各種設定)」の設定ができます。
設定画面で「History(履歴)」に合わせて、右手前の「enterボタン」を押すと、過去の記録確認、削除などができます。 設定画面で「Training(トレーニング設定)」に合わせて、右手前の「enterボタン」を押すと、トレーニングに関する詳細設定ができます。 更に「enterボタン」を押すと、「Run Alert」「Workouts」「Courses」「Auto Multisport」の設定できます。 「Run Alert」に合わせて「enterボタン」を押すと、「Time Alert(時間)」「Distance Alert(距離)」「Calorie(カロリー)」「HR(心拍数)」で設定した数値でアラート及びバイブレーションを作動させることができます。
「Workouts」設定は様々なトレーニングが設定できます。 「Interval(インターバル)」及び「Custom(カスタム)」インターバル設定、様々な距離、時間での設定が可能です。 「Courses(コース)」はガーミントレーニングセンターなどを利用して、コースを作成し、Forerunner310XT」に転送することができます。「 「Auto Multisport」は「Bike」「Running」など複数の種目を行なう場合に切り替えることができます。
「GPS(GPS状態)」の状態を設定できます。 「GPS Status」は、GPSを使用するか否かを設定します。 「GPS Satellites」はGPS精度を表示します。 捕捉しているGPS数及び精度を表示します。
「Go to Location」は設定した場所の方位及び距離を表示します。 「Setting(設定)」は、ランニングで必要な様々な設定ができます。 「Setting(設定)」は、「Run Setting(ラン・セッテイング)」「System(システム)」「User Profile(ユーザー・プロファイル)」「About Forerunner(フォアランナーについて)」の4項目の設定ができます。 「Run Setting」に合わせて、「enterボタン」を押すと、「Data Fields(画面表示)」「Auto Lap(自動ラップ)」「Auto Pause(自動停止)」「Auto Scroll(自動スクロール)」「Heart Rate(心拍数)」「Foot Pod(フットポッド)」「Virtual Partner(バーチャル・パートナー)」の設定ができます。
「Foot Pod」は装着したときのみ設定することができます。 「Setting(設定)」「System(システム)」では言語、音及びバイブレーション、画面、地図、時間、データ転送などの設定ができます。 データ転送の設定は「System(システム)」で行ないます。 Language(言語)」は「Forerunner310」は英語版ですので、「English(英語)」に設定します。


(1) 実用性
 ア 視認性、装着感、誤差
   フルマラソン大会1回を含め52回(約800km)使用しました。精度は「ForeAthlete305」「ForeAthlete405」とほぼ同じだと思います。 ディスプレィーがやや大型になり、視認性は良くなりました。装着感は「ForeAthlete405」とほぼ同様でした。
 イ 駆動時間
   「ForeAthlete405」は電源ボタンは廃止され、日常使用可能にしていましたが、「Forerunner310XT」は、 「ForeAthlete301、305」と同様に「ON−OFF式」になったことです。バッテリー消費量は、約5%/1時間です。 カタログ値は約20時間ですが、フル充電で18時間40分で電源がシャットダウンしました。 「ForeAthlete305(約10時間)」よりも長くなりました。

経過時間バッテリー残量経過時間バッテリー残量
1時間97%11時間44%
2時間92%12時間38%
3時間87%13時間33%
4時間82%14時間27%
5時間77%15時間22%
6時間71%16時間16%
7時間66%17時間11%
8時間61%18時間5%
9時間56%18時間40分シャット・ダウン
10時間50%
(2) 拡張性
  拡張機能はありませんが、「ForeAthlete405、305」と同様に、「ガーミン・トレーニング・センター」というユーティリティーソフトが付属されてます。 このソフトを使用することにより、走行距離、時間、消費カロリー、最大心拍数、平均心拍数、走行速度、高度、地図などが表示されます。また、自動ラップ機能を利用すると 設定した距離ごとに各種データを記録することができます。「ガーミン・トレーニング・センター」がユーティリティーソフトとして、「Sports Track」 「カシミール3D」などと比較するとやや劣るものの、「ガーミン・トレーニング・センター」で保存されたデータ(TCX形式)を「Sports Track」でインポート(GPX方式)することが可能です。
「Garmin Trainning Ceneter」
Garmin Trainning Ceneter
5 価格
インターネットで購入し、価格は¥46,800でした。「ForeAthlete405」が¥56,760(税込)であったことを考えると低価格設定です。
6 評価(5点満点)
最後に評価です。「Forerunner310XT」は「ForeAthlete305」の後継機種であり、「ForeAthlete405」と比較するとやや大型になり、重量もやや重くなりました。しかし、フルマラソンでも違和感なく使用できました。 データ転送は前モデルと同様にワイヤレスであり、パソコンへの転送が自動化されました。また、バッテリー持続時間が約20時間に延び心拍数ベースのカロリー計測が可能になりました。満足のいく製品であるものの、更なる小型軽量化、高精度化及び長時間可動が今後の課題だと思います。(2010/08/09掲載)
デザイン4.0
操作性4.5
機能性能4.5
画面表示4.0
ソフトウェアー4.0
価格4.0
満足度4.5
総合評価4.2