WristableGPS(EPSON社SF-710S)

1 購入目的
パッケージ
パッケージ
EPSON社は、2012年(平成24年)8月23日に、新たに取り組むランニング機器商品の第一弾として「WristableGPS SS-500R」が発売されました。 EPSON社独自の技術によるGPS機能搭載により、リアルタイムな計測ができ、GPS計測時間が最大14時間持つようになりました。また、小型化されたにも拘わらず、 ストライドセンサー内蔵でトンネル内でも計測が可能になりました。
 しかし、GPSを捕捉するのに時間を要し、コース・トレースは一部でショートカットが発生しており、角張っている箇所がありました。 また、液晶は視認性が悪く、バック・ライトも非常に暗いものでした。「WristableGPS SS-500R」は、GPSランニング機器としては発展途上の製品でした。 そのため、「WristableGPS SS-500R」は僅か1ヶ月程度しか使用しませんでした。
 2013年(平成25年)11月15日に、SSシリーズの進化版、SFシリーズが発売されました。SFシリーズは、高精度なデータを毎秒測位し、リアルタイムに表示します。 更に独自開発のGPSチップの低消費電力化によりGPS機能稼動時で、最長30時間の長時間稼動を実現しました。SFシリーズはSSシリーズの短所が改善された製品のように思われます。 

GPS心拍計発売日
ForeAthlete3012006/04/06
ForeAthlete3052007/07/31
ForeAthlete4052008/10/30
Forerunner310XT2009/05/21
Forerunner2102010/11/01
Forerunner4102010/11/01
SS-500R2012/08/23
ForeAthlete910XTJ2012/10/18
SF-710S2013/11/15
2 製品特徴
マニュアル EPSON社SFシリーズのうち、バイブレーション機能が搭載されている「SF-710S」を購入しました。シンプルな白化粧箱に、時計本体、クレドール、 クイック・ガイド及び保証書が同梱されていました。クイック・ガイドには、基本操作及び取り扱い要領が記載されていました。
 ユーザーズ・ガイド(119ページ)は、ホームページからPDF形式でダウン・ロードできるようになっており、 パソコンでいつでも閲覧できます。ペーパーレス化がパッケージの小型化に貢献しています。また、SF-710SのHRモニターは別販売であり、Bluetooth規格です。 従前の製品のようなANT+規格ではなく、SF-710Sでは、SS-500RのHRモニターは使用できませんでした。
3 機能
SF-710S
(1) 外観
 デザインは「SS-700」と似ており、丸形です。重量は59gですが、やや小型になりました。この時計は50m防水です。
NO.GPSトレーナーサイズ重量
1ForeAthlete301(日本語版)83mm(横)×43mm(縦)×17mm(厚さ)約78g
2ForeAthlete305(日本語版)53mm(横)×69mm(縦)×18mm(厚さ)約77g
3ForeAthlete405(日本語版)48mm(横)×71mm(縦)×16mm(厚さ)約60g
4Forerunner310XT(英語版)54mm(横)×56mm(縦)×19mm(厚さ)約72g
5Forerunner210(英語版)45mm(横)×69mm(縦)×14mm(厚さ)約52g
6Forerunner410(英語版)48mm(横)×71mm(縦)×16mm(厚さ)約60g
7SS-500R(日本語版)47mm(横)×48mm(縦)×13mm(厚さ)約49g
8ForeAthlete910XTJ(日本語版)54mm(横)×61mm(縦)×15mm(厚さ)約72g
9SF-710S(日本語版)42mm(横)×42mm(縦)×13.6mm(厚さ)約59g

(2) 操作
  ボタンは4個(左側2個、右側2個)ありますが、トレーニング中に使用するのは右側のボタンで、右上ボタンでスタート、ストップ、右下ボタンでラップ及びリセット(長押2秒)を行なえます。
(3) 機能
<ジブンを測る>
ア GPS計測最大30時間
イ 高精度測位及び精緻な標高計測
ウ 準天頂衛星システム「みちびき」対応
エ GPS信号高速サーチ
オ ストライド・センサー
カ 「オートポーズ」機能
キ 「オートラップ」機能
ク タップ・センサー及びバイブレーション機能
<ジブンを残す>
ケ トレーニングの計測データを(USB接続によって)パソコンにアップロード
コ 専用アプリケーション「NeoRun」にて、軌跡の地図表示から速度・勾配のグラフ表示、心拍数、消費カロリーなどを表示・記録
4 使用感
時計画面です。時計画面だけで、約20日間動作します。 「左上ボタン」を押すと、バックライトが点灯します。前モデルと比較すると非常に見やすくなりました。 「右下ボタン」押すと、計測記録の履歴を表示します。残念ながら履歴を削除することができません。 時計画面から「右上ボタン」を押すと、GPS測位が行われます。右の数字は経過時間(秒)です。
GPS測位が終了すると、計測画面になります。距離、スプリット・タイム、平均ペースを表示しています。計測が始まると反転表示になります。 第2画面は、距離、時刻、高度を表示しています。 第3画面は、ストライド、ピッチ、ステップ数(1分間)を表示しています。 最後の画面は、距離、心拍数、最大心拍数を表示しています。各項目はカスタマイズが可能です。
(1) 実用性
ア 視認性、装着感、誤差
 GPS信号高速サーチにより、2分以内でGPSを捕捉することができますが、特段、捕捉時間が早くなったとは感じませんでした。 毎秒測位のためか、コース・トレースは非常に正確でした。視認性は非常によく、特にバック・ライトは見やすいものです。 しかし、点灯時間調整及び輝度調整はできません。
 実際にフルマラソン3大会で計測した結果が下表ですが、誤差は1%以内です。計測結果は偶然ですが、全て42.46kmでした。スタート位置が異なりますので、同計測値ではありません。 実測されたコースを終始、走ったわけではありませんので、誤差は当然ながら発生します。
大会名実測値計測値整列位置
第63回別府大分毎日マラソン42.195km42.46kmスタート位置手前約50m
北九州マラソン201442.46kmスタート位置手前約20m
静岡マラソン201442.46kmスタート位置手前約80m
イ 駆動時間
 GPSがONの場合は、カタログ値の稼働時間は約30時間です。GPS及びHRモニターがONの場合は、約26時間です。バッテリー残量はアイコンで表示されるため、概ね残量を把握することができます。 実際の稼働時間は、確認していませんので不明です。
(2) 拡張性
 「NEO RUN」というWebアプリケーションでランニング・データを記録管理することができます。しかし、NEO形式及びGPX形式で保存されたデータを「Sports Tracks」でインポートすることは可能ですが、 NEO形式以外のデータをエクスポートすることはできませんので、「WristableGPS」で記録したデータ以外は扱えません。また、GPX形式では、心拍数データをインポートすることはできません。
5 価格
インターネットで購入し、本体価格は¥34,800(税込)、心拍計は\8,400(税込)で別販売でした。「ForeAthlete910XTJ」が¥44,820(税込)でしたので、低価格設定です。
6 評価(5点満点)
最後に評価です。高精度測位及び準天頂衛星システム「みちびき」対応により、「ForeAthlete910XTJ」よりも、コース・トレースは正確です。 ストライドセンサーが内蔵されていますので、フッド・ポッドは必要ありません。機能面でやや不足するものの十分に満足な製品であり、 小型化及び軽量化が進んだ製品です。(2014/03/16掲載)

デザイン4.8
操作性4.6
機能性能4.5
画面表示4.5
ソフトウェアー4.5
価格4.0
満足度4.5
総合評価4.5