1 購入目的 |
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GARMIN(ガーミン)社は、2014年(平成26年)4月26日に、VO2max(最大酸素摂取量)、リカバリーアドバイザー、ランニングダイナミクスという
多彩な機能を搭載したランニング・ウォッチ「ForeAthlete620J」を発売しました。
大きな特徴の1つであるVO2maxの計測は心拍数や運動負荷から間接的に算定されており、人が体内(体重1kgあたり)に取り込むことのできる酸素の1分間あたりの
最大量をml/kg/分の単位で表示してくれます。また、VO2maxを計測することで、5km、10km、ハーフ、フルマラソンの予想タイムを推定する「予想タイム」機能も搭載されています。
「ForeAthlete620J」に記録されている履歴データと走行時の心拍数やペースの変動からトレーニング終了時に「回復に必要な時間」をアドバイスしてくれる
「リカバリーアドバイザー」機能も新しく搭載されました。トレーニングを開始後に、数分で回復の度合いを「グッド(良い)」、「ノーマル(普通)」、「バッド(悪い)」の3種類で
示されますので、トレーニングでの負荷のかけ方の参考指標になります。
Gセンサー内蔵の新型ハートレート・モニター(HRM-Run)と組み合わせる事により、更なるトレーニングデータ分析(ランニング・ダイナミックス)が可能になりました。
GPS心拍計 | 発売日 |
ForeAthlete301 | 2006/04/06 |
ForeAthlete305 | 2007/07/31 |
ForeAthlete405 | 2008/10/30 |
Forerunner310XT | 2009/05/21 |
Forerunner210 | 2010/11/01 |
Forerunner410 | 2010/11/01 |
SS-500R | 2012/08/23 |
ForeAthlete910XTJ | 2012/10/18 |
SF-710S | 2013/11/15 |
ForeAthlete620J | 2014/04/26 |
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2 製品特徴 |
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「ForeAthlete620J」本体、チャージング・クレドール、ハードレートセンサー(HRM-RUN)及び操作マニュアル(187ページ)が同封されていました。
操作マニュアル(187ページ)は、細部にわたり記載されていますが、基本操作と設定などの詳細項目と分けて記載されていますので、判りやすい内容になっています。
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3 機能 |
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1 電源/バックライト | 電源のオン/オフを行ないます。また、バックライトのオン/オフを兼ねています。点灯時間の設定(8秒、15秒、30秒、1分、常時オン)ができます。 |
2 タッチスクリーン | ページを表示します。スクリーンをタップして操作を行ないます。 |
3 戻る | 前のページに戻ります。 |
4 時計 | 時計ページ(パワーセーブ・モード:現在の表示)を表示します。上段:電池残量、中段:現在時刻、下段:日付です。パワーセーブ・モードを解除は、電源キー以外を押します。 |
5 タイマー | タイマーをスタート/ストップします。 |
6 メニュー | メニューを表示します。履歴、自己ベスト、設定、VO2Max、リカバリ・アドバイザーがあります。 |
7 ラップ/CONNECT | タイマーが作動中は、押すたびにラップを取得します。Wi-Fiを利用して、Garmin-Connect(Webサイト)にデータをアップロードします。
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(1) 外観
デザインはタッチパネル式を採用した「Garmin ForeAthlete 610」と似ています。重量は43.6gですので、今まで使用したGPSウオッチの中で最軽量になります。この時計は50m防水です。
NO. | GPSトレーナー | サイズ | 重量 |
1 | ForeAthlete301(日本語版) | 83mm(横)×43mm(縦)×17mm(厚さ) | 約78g |
2 | ForeAthlete305(日本語版) | 53mm(横)×69mm(縦)×18mm(厚さ) | 約77g |
3 | ForeAthlete405(日本語版) | 48mm(横)×71mm(縦)×16mm(厚さ) | 約60g |
4 | Forerunner310XT(英語版) | 54mm(横)×56mm(縦)×19mm(厚さ) | 約72g |
5 | Forerunner210(英語版) | 45mm(横)×69mm(縦)×14mm(厚さ) | 約52g |
6 | Forerunner410(英語版) | 48mm(横)×71mm(縦)×16mm(厚さ) | 約60g |
7 | SS-500R(日本語版) | 47mm(横)×48mm(縦)×13mm(厚さ) | 約49g |
8 | ForeAthlete910XTJ(日本語版) | 54mm(横)×61mm(縦)×15mm(厚さ) | 約72g |
9 | SF-710S(日本語版) | 42mm(横)×42mm(縦)×13.6mm(厚さ) | 約59g |
10 | ForeAthlete620J(日本語版) | 45mm(横)×45mm(縦)×12.5mm(厚さ) | 約43.6g |
(2) 操作
ボタンは4個(左側2個、右側2個)ありますが、トレーニング中に使用するのは右上側のボタンです。
(3) 機能
ア AGPS(アシストGPS)機能 |
イ 準天頂衛星システム「みちびき」対応 |
ウ Gセンサー |
エ タッチパネル・カラーディスプレー |
オ バーチャル・パートナー |
カ アラート通知(音、バイブレーション及びバックライト)
| キ 「オートポーズ」機能 |
ク 「オートラップ」機能 |
ケ ランニング・ダイナミクス・データ表示(上下動、ピッチ、接地時間) |
コ VO2Max(最大酸素摂取量)測定(推定値)
| サ リカバリー・アドバイザー
| シ トレーニング効果判定(1.0〜5.0) |
ス Bluetooth接続 |
セ Wi-Fi接続 |
ソ 「Garmin Connect」データ管理及び公開 |
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4 使用感 |
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パワーセーブ・モードが解除されると、衛星捕捉画面になります。今まで使用したGPS心拍計で、最も早く(1分以内)衛星を捕捉します。 |
衛星捕捉を完了すると、衛星アイコンが点灯しトレーニング・ページが表示されます。画面は4画面表示(タイム、距離、平均ペース、心拍数)に設定しています。 |
画面をタップすると、次のページに変わります。3画面(高度、距離、平均ペース)に設定しています。 |
更にタップすると、4画面(時刻、心拍数、平均ペース、距離)に設定しています。データ・ページは最大4ページまで表示可能です。
また、データ項目は45種類の中から任意に変更することが可能です。 |
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バーチャル・パートナー・ページです。トレーニング開始とともに設定したペースで仮想のパートナーがランニングします。 |
VO2Max(最大酸素摂取量)を推定します。測定のためには心拍計を装着する必要があります。現在、VO2Maxは59ですが、
先日行なわれた「東北風土マラソン2015(2015/04/26開催)」終了後は、62でした。 |
推定したVO2Max(最大酸素摂取量)からレース・タイムを予測します。フルマラソンの予想タイムは2時間46分25秒ですので、遥かに速い値を示します。 |
トレーニング強度から回復時間(数時間〜数日間)をアドバイス(グッド、ノーマル、バット)してくれます。 |
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(1) 実用性 |
ア 視認性、装着感、誤差 |
AGPS機能により、1分以内でGPSを捕捉することができます。毎秒測位ですが、コース・トレースは思ったほど正確ではありません。視認性は良好です。
実際にフルマラソン5大会で計測した結果が下表ですが、計測値にばらつきがあり、特に「2015板橋Cityマラソン」は大きな誤差が生じました。
実測されたコースを終始、走ったわけではありませんので、誤差は当然ながら発生します。
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開催日 | 大会名 | 実測値 | 計測値 | 整列位置 |
2015-02-08 | 北九州マラソン2015 | 42.195km | 42.59km | スタート位置手前約10m |
2015-02-22 | 第6回呉とびしまマラソン | 42.13km | スタート位置手前約5m |
2015-03-22 | 2015板橋Cityマラソン | 43.05km | スタート位置手前約50m |
2015-04-19 | 第2回前橋・渋川シティマラソン | 42.48km | スタート位置手前約5m |
2015-04-26 | 東北風土マラソン2015 | 42.12km | スタート位置手前約2m |
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イ 駆動時間 | バッテリの持続時間は、トレーニングモード約10時間、時計モード約6週間です。バッテリー残量はアイコンで表示されるため、概ね残量を把握することができます。
実際の稼働時間は、確認していませんので不明です。
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| (2) 拡張性 |
「Garmin Connect」というWebアプリケーションでランニング・データを記録管理することができます。Wi-Fi環境があれば、ボタンを押すことで転送が可能です。
また、スマートフォンとBluetooth接続することで、トレーニング・データ、ワークアウト・データの送受信や、現在地をリアル・タイムで公開するLive Track機能が利用可能です。
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5 価格 |
インターネットで購入し、本体価格は¥38,980(税込)でした。GPS心拍計は高価格設定です。
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6 評価(5点満点) |
最後に評価です。「ForeAthlete620J」は次世代トレーニング機能が搭載されたモデルであるため、ただ単にペース、距離、時間を計測するだけに留まらず、
ランニング・ダイナミックス(身体上下動、接地時間、ピッチ)、VO2Max、予想タイム、リカバリー・アドバイザー、トレーニング効果など高機能になっています。
一方、毎秒測位及び準天頂衛星システム「みちびき」対応ですが、コース・トレースの正確性にやや欠ける面があり、その点では、EPSON社「GF-710S」は優れていたと思います。
AGPS機能によりGPSを捕捉する時間は非常に短く(数十秒程度)なりましたので、準備体操を行なっている間に捕捉が完了します。
このGPS心拍計は、小型及び軽量になった製品ですが、バッテリー持続時間の延長が望まれるところです。(2015/05/10掲載)
デザイン | 4.8 | |
操作性 | 4.8 | |
機能性能 | 4.8 | |
画面表示 | 4.5 | |
ソフトウェアー | 4.8 | |
価格 | 4.0 | |
満足度 | 4.5 | |
総合評価 | 4.6 | |
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