Garmin社 ForeAhlete735XTJ

1 購入目的
パッケージ GARMIN(ガーミン)社は、2016年(平成28年)7月15日に、ランニング・ウォッチ「ForeAthlete735XTJ」を発売しました。
 「ForeAthlete 735XTJ」は、ForeAthlete920XTJの後継機種に位置付けられ、トライアスロンなどのマルチスポーツに向いたモデルとして光学式心拍計が初めて採用されました。 リカバリーアドバイザー、VO2max(人が体内(体重1kgあたり)に取り込むことのできる酸素の1分間あたりの最大量をml/kg/分の単位で表示される。)に加え、 乳酸閾値(LT値)、FTP(機能的作業閾値)などが計測可能になった他に、ランニングに関する機能では、オプションのハートレイトセンサーにより、 アドバンスド・ランニング・ダイナミクス(ピッチ、接地時間、上下動量、左右バランス、ストライド、上下動比)が計測することができます。
 また、スマートフォンと連携でき、トレーニングデータの同期、通知機能、ミュージックコントロール機能などが搭載され、毎日の活動量と睡眠状況を記録・管理できるライフログ機能も搭載されました。
 今までのモデルと比較すると、ランニングに特化しただけではなく、日常の活動量及び睡眠の状況をGAMIN社のサイトで一括管理でき、スマートフォンで確認することができるようになりましたので、 迷うことなく購入を決めました。
GPS心拍計発売日
ForeAthlete3012006/04/06
ForeAthlete3052007/07/31
ForeAthlete4052008/10/30
Forerunner310XT2009/05/21
Forerunner2102010/11/01
Forerunner4102010/11/01
SS-500R2012/08/23
ForeAthlete910XTJ2012/10/18
SF-710S2013/11/15
ForeAthlete620J2014/04/26
ForeAthlete735XTJ2016/07/15
2 製品特徴
マニュアル
「ForeAthlete735XTJ」本体、チャージング・クリップ、ハードレートセンサー(HRM-RUN)及び操作マニュアル(240ページ)が同封されていました。  操作マニュアルは、細部にわたり記載されていますが、基本操作と設定などの詳細項目と分けて記載されていますので、判りやすい内容になっています。
3 機能
ForeAhlete735XTJ
1 電源/バックライトキー電源のオン/オフを行ないます。また、バックライトのオン/オフを兼ねています。点灯時間の設定(8秒、15秒、30秒、1分、常時オン)ができます。
2 操作キー上上に移動します。長押しでオプション・メニューを表示します。
3 操作キー下下に移動します。長押しで素早く切り替えます。トレーニング開始後、長押しでアクティビティ・プロフィール切り替えページに移動します。
4 タイマーキー選択を決定/確定します。タイマーをスタート/ストップします。
5 BACKキー前のページに戻ります。トレーニング中(タイマー作動中)は、押すたびにラップを取得します。
(1) 外観
 日常での使用でも全く問題ありません。重量は約40gですので、今まで使用したGPSウオッチの中で最軽量になります。このGPS時計も50m防水です。
NO.GPSトレーナーサイズ重量
1ForeAthlete301(日本語版)83mm(横)×43mm(縦)×17mm(厚さ)約78g
2ForeAthlete305(日本語版)53mm(横)×69mm(縦)×18mm(厚さ)約77g
3ForeAthlete405(日本語版)48mm(横)×71mm(縦)×16mm(厚さ)約60g
4Forerunner310XT(英語版)54mm(横)×56mm(縦)×19mm(厚さ)約72g
5Forerunner210(英語版)45mm(横)×69mm(縦)×14mm(厚さ)約52g
6Forerunner410(英語版)48mm(横)×71mm(縦)×16mm(厚さ)約60g
7SS-500R(日本語版)47mm(横)×48mm(縦)×13mm(厚さ)約49g
8ForeAthlete910XTJ(日本語版)54mm(横)×61mm(縦)×15mm(厚さ)約72g
9SF-710S(日本語版)42mm(横)×42mm(縦)×13.6mm(厚さ)約59g
10ForeAthlete620J(日本語版)45mm(横)×45mm(縦)×12.5mm(厚さ)約43.6g
11ForeAthlete735XTJ(日本語版)44.5mm(横)×44.5mm(縦)×11.9mm(厚さ)約40.2g

(2) 操作
  ボタンは5個(左側3個、右側2個)ありますが、トレーニング中に使用するのは右上側のボタンです。
(3) 機能
  「ForeAthlete620J」と比較すると多機能になりました。
ア ランニング機能
 (ア)VO2 Max
 (イ)リカバリー・アドバイザー
 (ウ)予想レースタイム
 (エ)アドバンスド・ランニング・ダイナミクス
 (オ)加速度計
 (カ)自己ベスト
イ パフォーマンス機能
 (ア)心拍計(手首計測)
 (イ)バーチャルパートナー
 (ウ)自動ポーズ
 (エ)自動ラップ
 (オ)自動スクロール
 (カ)マルチ・スポーツ
 (キ)ペース・アラート
 (ク)時間/距離アラート
 (ケ)インターバル・トレーニング
 (コ)心拍に基づく消費カロリー
 (サ)トレーニング効果
 (シ)ディスプレー・カスタマイズ
ウ Garmin Connect(Gamin社サイト)
 (ア)Garmin Connectと互換可能(オンライン・コミュニティ)
 (イ)自動同期
エ その他
 (ア)ストレススコア
 (イ)乳酸閾値
 (ウ)予測ゴール時間
 (エ)Connect IQ(Gamin社サイト)アプリ・サポート
 (オ)GPS/GLONASS/みちびき対応
4 使用感
Connect IQ(Gamin社サイト)において、様々なアプリケーションをダウンロードすることができます。写真は、人気のある「ActiFace」です。 時計画面で「タイマーキー」を押すと、GPS捕捉画面になります。捕捉までは1分以内で完了します。 画面は4画面表示(パフォーマンス・コンディション、距離、気温、心拍数)に設定しています。時計画面と同様に、Connect IQ(Gamin社サイト)において、アプリケーションをダウンロードすることができます。 GPS捕捉画面で、「操作キー下」を押すと、アクティビティー設定ができます。
アクティビティー設定画面で、「タイマーキー」を1回押すと、トレーニングページの表示設定が行なえます。4種類のデータページ、心拍ゾーン、地図、バーチャルトレーナー、ランニングダイナミックス、時計などの表示設定ができます。 「操作キー下」を押すと、自動ラップ設定ができます。 「操作キー下」を押すと、GPS設定ができます。写真では「GPS+GLONASS」に設定していますが、「QZSS」は「みちびき」を捕捉していることを表します。 アクティビティー設定画面で「操作キー下」を押すと、トレーニング(ワークアウト、トレーニングカレンダー、インターバル、ターゲット、レース)の内容設定ができます。
「操作キー下」を押すと、過去のトレーニングを確認することができます。 「操作キー下」を押すと、マイデータ(リカバリーアドバイザー、VO2max、予想タイム、乳酸閾値(血中の乳酸値が急に上昇し始める時の運動強度)、FTP(実効パワー閾値)、自己ベスト、ユーザプロフィール)を確認することができます。 マイデータ画面で「タイマーキー」を押すと、リカバリーアドバイザーで、リカバリタイムを確認することができます。 「操作キー下」を押すと、予想タイムを確認することができます。
予想タイム画面で「タイマーキー」を押すと予想タイムが表示されます。VO2max:53ですが、現在の予測タイムです。 乳酸閾値ですが、心拍数177BPMで、4分37秒/kmのペース以上になると、乳酸が急激に溜まる予想です。 過去の自己ベストを確認することができます。 ナビゲーション機能では、コース、ポイント設定など簡易な機能しかありません。
(1) 実用性
ア 視認性、装着感、誤差
 「ForeAthlete620J」と同様に、1分以内でGPSを捕捉することができます。
 実際にフルマラソン2大会で計測した結果が下表ですが、高層ビルが建ち並んでいたため「東京マラソン2018」は大きな誤差が生じました。また、毎秒測位ですが、コース・トレースは大きく誤差が生じました。 普段、川沿いをランニングしていますが、上空が開けているため、コース・トレースは概ね正確です。
開催日大会名実測値計測値整列位置
2018-02-18北九州マラソン201842.195km43.1kmスタート位置手前約10m
2018-02-25東京マラソン201844.8kmスタート位置手前約50m
イ 駆動時間
 バッテリの持続時間は、下表のとおりですが、普段「GPS+GLONASS+ハートレイトセンサー」で使用しているため、バッテリー持続時間は約10時間と思われます。 バッテリー残量は%で表示されるため、概ね残量を把握することができます。
時計モード:約9週間
時計+ライフログ:約8週間
時計+ライフログ+通知機能+光学式心拍計:約11日
GPS+光学式心拍計:約14時間
GPS+GLONASS+光学式心拍計:約10時間
ウルトラトラックモード+光学式心拍計:約21時間
(2) 拡張性
 「Garmin Connect」というWebアプリケーションでランニング・データを記録管理することができます。「ForeAthlete620J」は、Wi-Fi環境で転送が可能でしたが、 「ForeAthlete735XTJ」はスマートフォンとBluetooth接続することで、トレーニング・データ、ワークアウト・データの送受信や、現在地をリアル・タイムで公開するLive Track機能が利用可能です。
5 価格
インターネットで購入し、本体価格は\48,405(税込)でした。GPS心拍計は高価格設定です。
6 評価(5点満点)
最後に評価です。「ForeAthlete735XTJ」はランニング(屋内/屋外)、サイクリング(屋内/屋外)、スイミングなどのマルチスポーツに対応したモデルであり、手首で心拍数を測定できる光学式心拍数測定技術を搭載しています。 しかし、ハートレートセンサーHRM-Runを使用しなければ、アドバンスド・ランニング・ダイナミクス(身体上下動、接地時間、ピッチ接地時間バランス、歩幅、上下動比)、VO2 max推定値、乳酸閾値、予想レースタイム、リカバリーアドバイザーは計測することはできません。  
 GPS機能は、毎秒測位及び準天頂衛星システム「みちびき」対応ですが、コース・トレースの正確性に欠ける面がありました。「みちびき」の早期4機運用が開始されるのが望まれます。 GPSを捕捉する時間は「ForeAthlete620J」と同様に非常に短く(数十秒程度)なりました。このGPS心拍計は、小型及び軽量になった製品ですが、更にバッテリー持続時間の延長が望まれるところです。(2018/04/15掲載)

デザイン4.8
操作性4.8
機能性能4.5
画面表示4.5
ソフトウェアー4.8
価格4.0
満足度4.0
総合評価4.5